ニッケイ新聞 2011年9月30日付け
EUがギリシア債務危機に揺れているが、その余波がブラジルにも出て輸出が50%も落ちたとの報道が29日付エスタード紙をにぎわしている。ギリシアは歳出削減、国内総生産1割減などの大きな経済混迷の中にあり、ここ数カ月、外国からの輸入に急激なブレーキがかかっている。
ブラジルからの輸出品の大半は農産物や原料で、07年には3億7千万ドルをギリシアに売り込んだ。特に大豆、砂糖、タバコ、食料品、靴などだ。
2010年のブラジルからの対ギリシア輸出は1億7500万ドルと半分以下に落ち込んでいたが、それ以外の世界各国への輸出は20%増と好調だった。
エスタード紙の調査によれば、両国間貿易の中心商社の一つは、「すでに積荷の一部で支払い不履行が起きている」と答えており、事態は深刻さを増しているようだ。この場合、保険よって損害は補償されるが、以後その相手との通商は途絶される。ただし、在アテネブラジル大使館は、この債務不履行問題に関して具体的な事例を聞いていないと答えている。
今回の債務危機の後に行われた調査によれば、70%のギリシア国民は消費を手控えるようになり、94%は危機以来に大なり小なり消費性向を変えたと答えている。
今年1月から7月の間にギリシアが輸入したのは総額99億ユーロだったが、昨年の同時期は140億ユーロもあった。個人消費の現象が輸入に直結しているようだ。