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マルフ元サンパウロ市長に新疑惑=横領額なんと10億ドル?

ニッケイ新聞 2011年10月1日付け

 パウロ・マルフ連邦下議(PP=進歩党)と妻シウビア、4人と子供、親戚2人にアグア・エスプラナーダ大通り建設資金横流しという新しい疑惑が持ち上がっていると9月30日付エスタード紙などが報じている。
 最高裁(STF)は29日、マルフ下議らに対して犯罪裁判を開始した。連邦検察庁は、マルフ氏がサンパウロ市長時代に同家族ぐるみで公金横領・資金洗浄に関わっていたとの疑いを持っており、下議と家族は当面「被告」として扱われる。
 担当検察官のリカルド・レウアンドウスキ氏が「天文学的な数字だ」だと強調する、公庫からの横領額はなんと約10億ドルにもなる。マルフ家が外国で運用する資産は9億ドルにも登るとの情報もあるとする。
 金額が高額であることに加え、いくつもの租税回避地を経由して資金洗浄され、持ち出されている手口の巧妙さが際立っていると指摘する。アグア・エスプラナーダ大通り建設費用自体は8億ドルであるが、それを軽々と上回る金額が国外に持ち去られたとしている。
 裁判資料は、検察庁の捜査ではなく、警察やインターポールによって集められた証拠物件が元になっている。
 これに対し、マルフ氏の弁護士ジョゼ・ロベルト・レアル・デ・カルバーリョ氏は「パウロ・マルフを弁護するのは大変難しい。嫌われるという点でも天性のカリスマ資質を持っている」とする。同下議は補佐官を通じて、「最高裁での嫌疑に対し、無罪の証拠を見せるだろう」とコメントしている。

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