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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年10月1日付け

 小沢一郎氏の元秘書3人が有罪の判決を受けた。石川知祐衆議や会計担当の大久保隆規被告も、「政治とカネ」で東京地裁が断罪したのは大きい。小沢氏の資金管理団体「陸山会」の帳簿への虚偽記入をめぐる裁判で政治と建設業者の癒着が暴き立てられ、ダムの建設工事にも、政治家が暗躍し、正義とはかけ離れた裏献金のやり取りも明らかになった▼ダム(岩手県)建設の指名業者にしてもらおうと水谷建設が一億円を小沢氏に献金したと元社長は証言しているが、小沢氏も元秘書らも「受け取っていない」と否定している。だが、裁判長は「裏献金を認定」し、執行猶予はついたけれども、禁固を言い渡している。公共工事に対し業者たちは、「談合」で話し合い安値で受注するのは昔からの悪しき慣習だが、これは現在もなお生きている▼取り分け岩手と秋田には、小沢氏の影響が強く、指名候補選びでも「(小沢氏の)天の声」が決定的な力を発揮していたのも、この裁判で明らかになった。判決は「岩手県や秋田県では談合の本命業者選定に小沢の意向が決定的な影響を持ち、小沢氏の秘書の了解はゼネコン各社に(天の声)と受け止められた」とまで指摘している。これでは、あの水戸黄門さまではなくとも、「闇の将軍」に怒りを爆発させるのはあたり前と言うものである▼石川衆議ら3人は、控訴に踏み切ったし、小沢元代表は側近の取り巻きに「不当判決」とぶちまくったらしいが、ここは自民党などの野党が要求する証人喚問に堂々と応じ、弁舌爽やかな申し開きに徹するべきだと、世の人々は思うのだが—。(遯)