ニッケイ新聞 2011年10月8日付け
同船者会は船によって特色があり、「誰それの尻を追っかけていた」などと青春時代に戻る会もあれば、健康や孫の話など近況報告ばかりになる会もあったりと様々。しかし、全てに共通するのは「ブラジルに来てよかった」との声だ。
会自体はとても賑やかだが、全 乗船者の3%が来れば多いほう。参加者の笑顔を見ながら、ふと来なかった同船者のことを思う。亡くなった人や忙しい人、帰国した人もいるだろう。
船内は「最後の日本」であるとともに、ブラジル生活の始まりでもある曖昧な場所。船の意味合いはその後のブラジル生活で大きく変わってしまう。もしコラム子が渡伯を後悔していたら、会には出席しない。
同船者会は、昔を懐かしむとともに「ブラジルでの人生を選んだ」ことの正しさを再確認しあう場所にもなっているのかもしれない。(亀)