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アマゾン河でもシリオ=ベレンでの大祭の前日に=500隻が聖母像に伴走

ニッケイ新聞 2011年10月14日付け

 9日に始まったパラー州ベレン市のナザレ大祭は世界最大級のカトリックの宗教行事として知られているが、アマゾン河ではその前日、「水のシリオ」とも呼ばれる、大船団による巡礼参拝が行われる。
 ナザレ大祭については11日付本紙既報なので、今回は「水のシリオ」と呼ばれるCirio Fluvialを紹介しよう。〃ウォーターズのキャンドル〃としても知られる祭りで、今年は、10月8日土曜日がその日に当った。7日昼、ベレン市の隣にあるアナニンデウア市の教会まで行進し、一夜を過ごした聖母ナザレ像は、8日早朝に教会を出、ベレン市イコアラシーのペドロ・テイシェイラ公園の倉庫に着くと、午前9時に水路での巡礼に出発した。出迎えに赴いた各船は、聖母ナザレ像が旧市街地にあるエスタソン・ダス・ドッカスと呼ばれる波止場に到着するまで、約3時間かけて伴走する。
 聖母ナザレ像が波止場の階段に着くと、パラー州軍警長官が出迎える。この習慣は、1971年12月15日に制定され、パラー州の守護神はアマゾンの女王・聖母ナザレであり、偉大な名誉に値すると宣言した州令第431号に基づくものである。
 陸におりた聖母ナザレ像は、約2・6kmをパラー州オートバイ連盟のオートバイ連合隊に守られて、9日早朝、ベレン市ナザレ大聖堂まで行われる大行進の出発点であるジェンチル・ビテンコウート中学校に向かう。
 アマゾン河のシリオでは海軍巡視船3隻、州軍警護衛艦3隻に守られたボートやモーターボート、フェリー、ヨット、観光客船など、約500隻がそれぞれの思いを込めて伴走した。
 聖母ナザレ像が見えると、岸辺では紙吹雪が舞い、爆竹が弾け、敬虔な祈りをささげる。10マイルの河を3時間かけて徐行する。像が波止場に下ろされるや否や、伴走していた船は一斉に散り、視界から消えさる。素晴らしいの一語に尽きる光景である。
 因みに、今年、この河のシリオに参加した信者は約6万人とか。伴走するそれぞれの船の中では、ミサが行われ、招待客は、シリオには欠かせない郷土料理の〃マニソバ(マンジョカ芋の葉を使った料理)〃や飲み物で歓待される。百聞は一見に如かずとはこのことだろうか。ナザレ大祭は、1793年から毎年、10月の第2日曜日を初日とし、2週間の日数を掛けてお祭りする習わしである。  (下小薗昭仁パラー州通信員)