ニッケイ新聞 2011年10月15日付け
ブラジル日本都道府県人会連合会(園田明憲会長)は今年1月から予定していた県連事務局の文協ビル5階部分への移転について、仮の売買契約を行っていた援協(菊地義治会長)の書類が揃うのを待ち、当面は現事務所で継続することが5日、執行部会議で決まった。
先月末の県連9月度代表者会議で、11月までに文協ビル2階へ暫定的に入居することが承認されていたが、最低1年の契約を結ぶ必要があることから、「転居後、すぐに書類が揃えば二重支払になる」と判断、取り止めを決定した。
県連は援協本部があった5階部分の購入について、今年1月に現所有者である援協と仮の売買契約を交わしていた。
しかし、慈善福祉団体であることで免税措置が取られていた援協に対し、市からITPU(固定資産税)、PIS(社会統合基金)COFINS(社会保険融資納付金)の請求があり、裁判が行われていた。
8月末に援協側の訴えが認められたものの、書類不備で先延ばしとなっていたことから、県連は「手狭な現事務局では、来客の応接や代表者会議を行えない」とし、早期移転を希望、代替案として5階部分と同じ広さを持つ2階部分への一時的入居を検討。
5階部分購入のための積立金の利子分と、事務所を持たない県人会への貸出し収入から家賃を差し引いても持ち出しがないことから、各県人会代表からも反対意見はなく承認されていた。
菊地援協会長は、「8月末に判決が出て、9月には書類が完了する予定だった。現在進捗状況を確認させている」としており、近日中に進展があるとみられる。
山田康雄県連副会長は、「内装工事が必要な部分もあるが、手続きが完了次第転居して活動を開始したい」と話した。