ニッケイ新聞 2011年10月22日付け
国際サッカー連盟(FIFA)が20日、2014年のW杯の開会式と開幕戦はサンパウロ市、決勝戦はリオなどの公式日程を発表したと21日付伯字紙が報じた。取り組みが遅いと言われ続けているブラジルだが、公式日程発表で準備にも拍車がかかる事が期待されている。
開会式サンパウロ市、決勝リオのシナリオは17日の内に確定していたが、スイスのチューリッヒで20日発表の日程では、サンパウロ市での試合が5から6に増えるなど、いくつかの変更も見られた。
14年6月12日の開会式はサンパウロ市イタケロンでと発表された途端、初めて聞いたかのごとき歓声をあげたのは、イタケロンの主であるコリンチアンスのアンドレス・サンシェス会長やジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事、ジウベルト・カサビサンパウロ市長、元ブラジル代表のロナウドやカフーら。
工事関係者もテレビ前に集まって発表を聞き、興奮に沸くイタケロンでは、仮設ゴール前にロナウドを立たせ、知事がペナルティを決めるなどのパフォーマンス。作業員達もサッカーに興じ、喜びを分け合った。
今回発表された日程は57回も手を加えたもので、開会式は14年6月12日午後5時から。決勝は7月13日午後4時からリオのマラカナンで行われる。
公式日程では、選手達の負担を減らすために12会場を4地区に分けるという案は消え、全伯移動のハードな日程。気温差に慣れるためとの説明だが、欧州勢からは移動距離が長過ぎるなどの不満が出ているという。
国内からの不満の種は試合数の偏りで、リオとブラジリアは7試合、サンパウロ市とバイア州サルバドール、ミナス州ベロ・オリゾンテ、セアラ州フォルタレーザは6試合開催だが、南大河州ポルト・アレグレとペルナンブコ州レシフェは5試合、アマゾナス州マナウス、パラナ州クリチバ、北大河州ナタル、マット・グロッソ州クイアバは4試合。収容人数が基準といいつつ、6万人収容なのに決勝トーナメントは1試合のみのポルト・アレグレは不満顔だ。
A組のブラジル代表は、6月12日の開幕戦以下、17日フォルタレーザ、23日ブラジリアで試合を行う。それ以後は、A組1位ならベロ・オリゾンテ、フォルタレーザ、サンパウロ市を経てリオ、2位ならフォルタレーザ、サルバドール、ベロ・オリゾンテを経てリオの予定。リオでの代表戦は決勝進出の場合のみとなる。
W杯準備を兼ねたコンフェデレーション・カップは2013年6月13〜30日開催で、ブラジリアで開会式、ベロ・オリゾンテとフォルタレーザで準決勝、リオで決勝まで確定。サルバドールとレシフェは今後の工事の進捗次第だ。出場国はブラジル、スペイン、ウルグアイ、メキシコ、日本が確定し、欧州とオセアニア、アフリカの3地区代表は今後の試合で決定。