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ジウマ大統領が調査命令=シウヴァ氏は〃最後の抵抗〃=後任は今後も共産党から

ニッケイ新聞 2011年10月22日付け

 スポーツ大臣のオルランド・シウヴァ氏の汚職疑惑に対し、ジウマ大統領が、仮にシウヴァ氏を更迭することになるとしても、後任も同氏の所属するブラジル共産党から選出する意向であることが明らかになった。21日付伯字紙が報じた。
 ジウマ大統領は、アフリカ歴訪最終日の20日にアンゴラでシウヴァ・スポーツ大臣の汚職疑惑について「国家のことを考えて冷静に調査を進めたい」と語り、不正が事実なら処罰も辞さないとの意向を表明した。だが一方で「民主主義のために戦っている少数政党に制裁を与えるつもりはない」と語り、今回の汚職疑惑を理由にブラジル共産党の閣内唯一の議席であるスポーツ大臣の座を剥奪する意思がないことも明らかにした。閣内の政党間のバランスを考慮しての発言であると見られる。
 ジウマ大統領は20日の帰国後、大統領府で即座に会合を開き、シウヴァ氏ならびにスポーツ省内の汚職疑惑について国庫庁などに徹底調査を命じた。エスタード紙によれば、大統領は既にシウヴァ氏の後任人事も考慮に入れていると言われ、ペルナンブコ州オリンダの元市長であるルシアナ・サントス下院議員が後任の有力候補と見られている。サントス氏は内閣組閣時より大統領の肝いりと目されていた人物でもある。
 一方、ブラジル共産党は20日、テレビでの同党の定期番組に、シウヴァ氏とレナート・ラベロ党首がそれぞれ出演。シウヴァ氏は「結党から90年スキャンダルとは一切無縁で来た共産党の名にかけて、私は最後まで身の潔白を証明するために戦う」と訴えた。
 だが、スポーツ省が、シウヴァ氏の元秘書の運営する団体に940万レアルもの不正支出を行なったという新たな疑惑もここに来て判明。近日中に予想されるジウマ大統領との会合でも一貫して無罪を主張すると強気なシウヴァ氏ではあるが、四面楚歌の状態にあることは否定できない。