ニッケイ新聞 2011年10月27日付け
【既報関連】スポーツ省絡みの汚職疑惑の中心人物、オルランド・シウヴァ相が26日中に辞表提出と26日付各紙サイトが一斉に報じた。
同日午前中、シウヴァ氏は、ジウベルト・カルヴァーリョ大統領府総務長官と2時間近く会談。会談には、ブラジル共産党(PCdoB)のレナト・ラベロ党首、下院リーダーのオスマル・ジュニオル下議、上院リーダーのイナシオ・アルーダ上議も同席した。
総務長官は、ジウマ大統領も同件の動きを詳細に追っており、疑惑が一気に表面化し、収集がつかない状態になる事を懸念している事を伝えたとされ、同日午後にはラベロ党首もシウヴァ氏退任を党内に伝えたという。
検察庁からの要請を受けた最高裁が25日にシウヴァ氏を巡る汚職疑惑の捜査開始を認めたとの報道は26日付メディアのトップを飾り、自分が連邦警察などに捜査を命じたと強気の発言をしていた同相も、心中では進退窮まった事を自覚していたという。
シウヴァ氏の辞表提出は、26日午後のジウマ大統領との会談の場でとされており、共産党執行部も同日夕方、大統領と会談を行う予定だ。
大統領は、当面は代行者をたて、来年始めの人事再編時に後任指名の意向だったが、共産党は即時指名を要請。後任候補には、ラベロ党首や元オリンダ市長のルシアナ・サントス下議、アウド・レベロ下議の名前が挙がっているという。
シウヴァ氏は、14年W杯や16年のリオ五輪の責任を担うスポーツ省の役割をこれ以上損なう事が無いよう配慮した上の決断で、自分は潔白と表明しているが、26日付伯字紙は、同氏の家族なども絡んだ汚職摘発の記事で埋まっている。