ニッケイ新聞 2011年10月28日付け
【既報関連】サンパウロ市ブラス区では、24日夜始まった露天商らの抗議行動が続いているが、カサビ市長は26日、現行基準を変更する意思はない事を明言したと27日付伯字紙が報じた。
サンパウロ市セントロのブラス区は、未明にたつ早朝市(フェイラ・ダ・マドルガーダ)など、国内外からも買い物客が殺到する商業地区で、クリスマスシーズンなどは、足の踏み場もないほど、人出が増える場所の一つだ。
それだけに、正式な営業許可がないために、買い物客が殺到する早朝市や人通りの多い通りでの商業活動が認められず、軍警らによる取締りの対象ともなった露天商が、この時期に市当局への不満を爆発させたのは当然といえるが、サンパウロ市側は、現行基準を変える意思はないというのだ。
24日夜から始まった抗議行動には約300人の露天商が参加。同区内の商店のシャッターを蹴飛ばす、ゴミをばら撒き火を放つなどの暴行は日を追って激しくなっており、26日は学校も閉鎖されたという。
同地区には正式な営業許可を持たないまま商売を行っている露天商が約9千人いるといわれており、年頭から、無許可で営業する露天商や不法な商品を取り締まる軍警のデレガーダ作戦が始まった事で、日中は同地区内で商売が出来なくなった露天商の悩みは深刻だ。
今年のクリスマスシーズンは昨年比10%の売り上げ増との予想も出ている中、「我々は働きたいんだ」と叫ぶ露天商達は、市当局が満足な回答を出してくるまで抗議行動を続ける意向を表明している。