ニッケイ新聞 2011年10月29日付け
アルゼンチン「らぷらた報知」紙に続いて、この度、米国「ハワイ・パシフィック・プレス」紙との記事交換を始めることになった。その第1段として東日本大震災への「義援金キャンペーンで800万ドル」の記事を転載する。今後、さらに世界各地の日系社会の動きを伝えていく。(編集部)
【ハワイ・パシフィック・プレス11月1日付け】3月11日に発生した東日本大震災の復興支援のためにハワイで行われていた「アロハ・フォー・ジャパン」キャンペーンが終了した。
同キャンペーンは、ニール・アバクロンビー知事の指示により震災翌日に開始した。ブライアン・シャッツ副知事はすぐさまハワイ州を上げての被災者支援の募金運動を組織。
これに既に被災者支援への意気を高めていたハワイ州民が参加し、800万ドルを超える寄付を集め、大成功を収めた。
ハワイ州副知事事務局、ハワイの全銀行・信用組合、企業、コミュニティグループなど100を超える組織が協賛し、募金活動イベントを展開した。
「官民協力によるチームとしての成果だ。ハワイ州一丸となり、大海原の向こうにいる友人のために立ち上がったことをとても誇らしく思う」とシャッツ副知事は語る。
キャンペーンの実行委員会を率いた、アイランド保険の松本コルバート会長・CEOは「ハワイのありとあらゆる分野からわき上がった支援活動は、ハワイと日本の絆とハワイに息づくアロハ精神を証明した」と語った。
多額の寄付を行いキャンペーンに協力したファースト・ハワイアン銀行のボブ・ハリソン頭取は「日米の絆は強い。日本の友人達にハワイのアロハ精神が健在である事を示す事が出来た」と強調。
バンク・オブ・ハワイ基金の田上ドナ理事は、「アロハ・フォー・ジャパン」のコミュニケーション・プランを作り上げた。「我が社の社員、顧客は日本の人々への感謝と敬意を持っている。我々の日本への思いをこのキャンペーンに込めた」と言う。
セントラル・パシフィック銀行の桐原ウェイン首席副頭取・マーケティング主任は、キャンペーンにおいて100を超えるコミュニティー組織をまとめあげ「太平洋を越えたパートナーシップを体現するキャンペーンに参加でき、誇らしい気持ちでいっぱいだ」と述べた。
アメリカン・セイビング銀行のカウラナ・パーク重役は、数百の参加者を集めた「アロハ・フライデー・フォー・ジャパン」を含む多くのイベントの運営に携わった。「我が社及び関連企業は、日本へは特別な思いを持っている。日本の再建に協力できたことはこの上ない喜びだ」と語る。
キャンペーンを象徴する「アロハ・フォー・ジャパン」Tシャツは、ブチ・グルーブ、HI・ライフ、フィティッド・ハワイ、アロハ・アーミー、ベアフット・リーグ、インフォメーションのデザイナーたちが協力して生み出した。「このキャンペーンは多くの支援を受けた。アロハに溢れるハワイ州を誇りに思う」とラナイ・タブラさん。
キャンペーンは終了するが、アメリカ赤十字ハワイ支部(www.hawaiiredcross.org)、ハワイ日米協会(www.jashawaii.org) は、今後も義援金を受け付ける。義援金は免税の対象となる。
ホノルル福島県人会=義援金総額8万2千ドル
【ハワイ・パシフィック・プレス11月1日付け】ホノルル福島県人会のジェームス佐藤会長は、10月11日、母県福島県を訪問、松本友作副知事に東日本大震災義援金4万2000ドルを手渡した。同県人会は4月中旬にも4万ドルを寄付しており、これで義援金総額は8万2000ドルに達した。
佐藤会長は、ハワイ曹洞宗の所用で訪日したのを機会に、福島県まで足を伸ばして、義援金贈呈を行ったもの。贈呈式には作家でハワイと関係が密な橋本捨五郎氏とマリアン森口ホノルル福島県人会支部長らが立ち会った。
多額の義援金を受け取った松本副知事は、海外在住同胞の母県を思う気持ちに感謝するとともに「4年前から始めた北米移住者子弟研修会は、今回の大震災により、中止となりましたが、早い機会に是非再開したいです」と語った。
4月中旬に第1回目の義援金贈呈のため福島県を訪れた、ロイ富永氏(ホノルル福島県人会前会長)によると今回の義援金募集には、マウイ、ハワイ、カウアイ各島を初めサンフランシスコやロサンゼルスなど本土に住む県人や関係者からの寄付も多く、予想をはるかに超える義援金が集まった、と驚いている。寄付者は約500人にのぼり、一人平均約160ドルになるという。