ニッケイ新聞 2011年11月1日付け
世界の総人口は10月31日に70億人を超えたが、同30日付フォーリャ紙が、現在と2100年の世界の人口分布について国連が推定した数字を掲載している。
世界人口は、1987年に50億、1999年に60億に達しており、70億突破も12年のサイクルで実現した。世界人口の3分の2はアジアに集中しており、70億人目とされたのは10月31日フィリピン生まれのダニカちゃん。
一方、今年、総人口が1億9700万人を超えたブラジルは世界5位。国連は、ブラジルの平均寿命が日本並みの84歳になるのは2100年だが、同年のブラジル人口は1億7700万人に減り、世界10位に後退と見ている。
これは、出生率と死亡率のバランスなどから人口推移を予想した結果で、一人っ子政策を採る中国は2026年、子供の死亡率低下や女性の学歴向上、医療普及などで少子高齢化が進むブラジルは2042年に人口増加が止ると推定した場合で、その時の世界総人口は101億人。世界一は16億人のインドで、9億4100万人の中国、7億3千万人のナイジェリアが続くと見ている。
もちろん、現状解析のあり方や気候変化その他で人口減少開始時期などの見通しも異なるため、90年後の推定世界人口は62億から150億までの幅があるが、人口増と共に懸念されるのが食料や飲用水の確保だ。
世界の食糧生産基地の一つであるブラジルには、大豆畑や牧場造りを理由とした環境破壊の回避と食糧確保のための農業技術をアフリカに伝授する事、国内での所得や文化、医療などの格差縮小などが望まれている。