ニッケイ新聞 2011年11月5日付け
フランスのカンヌで3〜4日に開催された20カ国・地域(G20)首脳会議が終り、ジウマ大統領が「相対的な成功」と評価したと4日付G1サイトが報じた。
欧州連合(EU)がギリシャ救済のために立てた支援計画に対し、ギリシャ政府が国民投票を行うと言い出した事などもあり、同国を震源とする信用不安が更に拡大した感もあった首脳会議は、欧州債務と金融危機回避のための話合いに終始した格好となった。
ジウマ大統領の「相対的な成功」との言葉も、欧州危機以外の課題が十分討論されなかった事への不満の表れだ。
現実的には、国際通貨基金(IMF)の財源を更に強化し、欧州支援を継続するなどの合意が成立したとされるが、ジウマ大統領は、IMFの財源強化のための協力は惜しまないが、欧州安定化のための金融安定基金(EFSF)に対して直接投資するつもりはないとの姿勢を示した。
ただ、IMFへの支援に当たっては、出資比率に応じた決定権付与も望んでおり、現状を不満としている事も表明。国連安全保障理事会の非常任理事国としての任期も残りわずかとなった今、ブラジルの国際社会での発言力を強めたい大統領にはIMFでの決定権強化も気になるところだ。だが、今回のG20では、そこまで突っ込んだ話合いはされなかったようだ。
また、世界的な金融税創設に関する質問には、反対するつもりはなく、導入が決まればブラジルも参加すると答えている。
ジウマ大統領は、2012年に開催される「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」についても、各国首脳が参加できるよう、6月4〜6日の日程を20日に変更するとアナウンスした。