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汚職告発は引きもきらず=今度は労働省で疑惑再燃=袖の下が次の支払い条件に=監査未実施の書類も山積み

ニッケイ新聞 2011年11月8日付け

 5日付Veja誌が労働省絡みの汚職告発記事を掲載し、カルロス・ルピ労働相が幹部職員を更迭したと6日付伯字紙が報じた。ジウマ政権の調停役である大統領府総務長官をして「疲れた」と言わしめた新たな疑惑の表面化で、野党側は労相更迭などを要求し始めている。

 5月に辞任したアントニオ・パロッシ元官房長官以来、閣僚辞任が続くジウマ政権に、労働省幹部職員を名指しで告発するVeja誌記事が追い討ちをかけた。
 政権初年度の閣僚辞任が6人で、内5人が汚職によるという数字は前代未聞で、清掃を意味するファッシーナの言葉定着の感すらあるが、疑惑噴出の度に政府と政党の間の調停役を務めるジウベルト・カルヴァーリョ大統領府総務長が「疲れた」との言葉を発したと書いているのは7日付エスタード紙だ。
 Veja誌が掲載したのは、労働省との契約に基づいて、職業訓練などを行っていた非政府団体(NGO)に同省幹部が金を要求していた事を暴露する記事。会計監査に引っかかり、支払い停止となった団体が、問題解決のために契約報酬の5〜15%の金を要求されたと告発している。
 実名が上がっているのはリオ・グランデ・ド・ノルテ州のエパ研究所とリオ州のオキシジェニオで、告発されたのは職業訓練プロジェクト・コーディネーターのアンデルソン・アレシャンドレ・ドス・サントス氏。同誌発売の5日、労相はサントス氏を更迭した。
 7日付フォーリャ紙サイトなどによれば、NGOとの契約に問題ありとの指摘は8月頃から政府も懸念しており、総務長官が民主労働党(PDT)党首でもあるルピ労相と会談した後に解雇されたのが、当時労相秘書室長で今も同党会計のマルセロ・ペネラ氏だ。
 6日付エスタード紙には、更迭されたサントス氏と共に、労相の元部下で現在下議のウェヴェルトン・ロッシャ氏の名前も上がっており、両者共に、ペネラ氏と以心伝心の関係。当然、NGOに要求した金はPDTの金庫を潤してきたとの見方も出ているようだ。
 一方、労働省は、サントス氏更迭は捜査の間のみと文書で発表。ルピ労相自身は「汚職なぞあずかり知らぬ」と発言しており、大統領府も、労相更迭につながる内容ではないと見ている。
 ただ、PDT党首が統括する省内の不祥事が同党会計に直結する人物を介して行われていたとの告発に、野党側は即座に反応。国会での釈明と検察の調査を求める声や、労働省と党の責任者であるルピ労相の辞任ないしは一時的な職務離脱請求も起きている。
 連邦会計検査院(TCU)によれば、労働省内では、監査の必要な会計書類が500点以上山積みになっており、ルピ氏が労相に就任した07年以降、埃を被ったままの書類さえあるという。