ニッケイ新聞 2011年11月11日付け
現在のブラジル・サッカー界を代表する選手であるネイマール(19)が9日、所属するサントスFCにワールドカップ終了後の2014年8月まで残留する契約を改めて交したと、同クラブのルイス・アルヴァロ会長が発表した。10日付で伯字紙が報じた。
ネイマールとサントスFCの間には、2015年2月までの契約があったが、バルセロナやレアル・マドリードといった欧州トップクラスのクラブが、ブラジルに直接乗りこんで高額で獲得を狙っていたことから、その去就がかねてから注目されていた。
9日午前中、父親のネイマール・ダ・シウヴァ・サントスさんと共にサントス市のペレ・トレーニング・センターに赴いたネイマールは、再交渉の後、契約書に正式に署名した。
その後に行われた記者会見で、ネイマールは「これは一生を決める大事な決断ですが、僕が選んだのはサントスです。ここでたくさんのことを経験したし、僕がサントスを出て行くことも考えられないくらいですが、明日のことは誰にもわからないですからね」との言葉でサントスへの強い愛着を語り、同時にワールドカップ以降の移籍の可能性をほのめかした。
また、アルヴァロ会長は、「この数カ月、ダメでもともとと、必死でネイマール残留のために奔走してきましたが、今日が私の人生で最高の日になりました」と語った。同氏は以前、「(ネイマールが抜けると)2014年にはサントスを応援してくれる人が3分の1になってしまう」と嘆いていた。
具体的な金額表示は明らかにされなかったが、今回の契約で、これまで70%だったスポンサー料の取り分が100%になることから、これまで100万レアルだった月給の50%増額も含めた月収は300万レアルになると見られている。ネイマールは現在、電化製品や飲料水など6社のCM契約があり、銀行や電話会社も契約を希望していると言われている。
ロナウドが16歳で、カカが21歳で欧州チームに移籍したのとは対照的な決断をしたネイマールだが、「僕は世界一のプレイヤーになるより、サントスが世界一のチームになる方に興味がある。家族とも一緒にいたいですし」と、ブラジルへの愛情が強いこともうかがわせた。