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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年11月15日付け

 この国の政治家の汚職は、神さまが「やめろ」と呶鳴っても、さっぱり効き目がない。ジウマ大統領になってからだけでも、7閣僚たちの金銭の使い方が不透明で6閣僚が辞任、只今も労働相が激しい追及にあいシドロモドロの情けなさである。これと並んでの難物は、朝から真っ暗闇まで間断なく届く交通事故である▼車の衝突や転落などによる死者が4万人をと耳にすれば、誰だって驚く。ブラジルの乗用車保有台数は、3700万ながら—この事故の数と犠牲者の多さは、どう見たって異常に過ぎる。一説にはバイクの無謀運転の見方もあるが、やはり酔っ払い運転が元凶と見たい。ここ数年は、取締りが厳しくなり酒好きのドライバーを泣かせているようだが、それでも日本に比べれば、まだまだ手ぬるい▼ちなみに、日本の交通事故死は、4863人と少ない。保有台数は7800万台とブラジルの2倍だが、この輝ける?成果は警察の厳しい取締まりが大きい。酒を呑んでハンドルを握れば、刑務所が待ち構えているし、酔眼朦朧とした人の運転する車に乗っても「厳罰処分」が下されるケースもある。先頃は、副署長の警視が知り合いの飲酒運転の車に同乗し、懲戒免職だから—厳しい▼尤も、日本も事故死をあまり声を大きくしては威張れない。1955〜1960年代の頃には、11万6千人もの死亡者がおり「交通戦争」の流行語まで生まれたりもした。それほどに「危険」だったのだし、やはり「ちょっと一杯」のつもりが「3杯、6杯」となっての事故だったのだから、運転に飲酒はやっぱり禁物ですな—。(遯)