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国外子会社から逆投資?=ブラジル多国籍企業の投資に変化
ニッケイ新聞 2011年11月17日付け
ブラジルの多国籍企業が、金融取引税(IOF)をかわすため、国外向けの投資を縮小し、ブラジル外の子会社からのブラジルへの投資という形を借りて国内投資扱いしていると、16日付で伯字紙が報じている。
応用経済研究院(Ipea)によると、こうしたブラジルの多国籍企業による国内直接投資はここ12カ月間で53億ドルに上るという。
ブラジルの多国籍企業の経常収支は、国外へ投資することで赤字となるのが普通であったのだが、今年上半期は黒字となっている。また、同様の動きは、外国からの直接投資にも見られた。
これらの国内向け投資は、ブラジルの高金利を利用した国内本社への貸付や株の購入、合併・吸収の形で行われており、生産や雇用を生み出すことなく、金融取引税をかわす方策の一つとの見方が強まっている。
Ipeaの調査によれば、こうした動きは、2010年10月に金融取引税を2%から6%に引きあげられた後に顕著になった。
それによると、株式による外国からの国内投資は8月までの1年間で24・2%減ったのに対し、外国からの直接投資は75・4億ドルと176・6%も上昇した。
この外国からの直接投資に国内投資を加算した直接投資総額は、実に216・9%の増加で、Ipeaの分析班は、今年9月までの1年間に国外から国内に流れ込んだブラジル企業の資本は77億ドルだが、利益送金などの公的流入額は24億ドルのみで、残りの53億ドルは直接投資の形で入ってきたと説明している。