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【第57回レジストロ灯ろう流し】歴史刻まれた伝統行事=地域最大級の催事に成長

ニッケイ新聞 2011年11月19日付け

 かつては水量も豊富で川幅も広かったリベイラ川。水運が主な交通手段だったため水難事故が相次いだことから、56年に日蓮宗恵明寺の故・石本恵明氏が水難者追悼供養を始めた。
 その際「南無妙法蓮華教」の一文字ずつが書かれた灯ろう7基が流されたのを嚆矢とする。
 会場となるベイラ・リオ広場はレジストロ地方に入植した日本人が初めて降り立った場所でもあり、海外興行株式会社(KKKK)の米穀貯蔵庫跡を改修した建物は現在、移民史料館になっている。
 1万人規模の大きな催しに成長したのは2001年に文協が共催に入ってから。それまでは日蓮宗の門徒でささやかに行われていたが、95年創始者の一人である故・春日今朝男さんが「この催しを絶やさないで」と協力を依頼した。
 第1回目で流された7基の灯ろうも現在は2500基となり、「先没者追悼だけでなく、半世紀以上催しを続けてきた貢献者への労いの意味も込められている」とFENIVARの山村敏明会長は話す。
 すでに日本文化を広める催しとして日系、非日系関係なく地元に根付き、地域最大級のイベントとして近隣の町から訪れる人も多い。