ニッケイ新聞 2011年11月22日付け
「楽しんでる?」「取材はどう?」と、とある取材中にくだけた言葉遣いで話し掛けてきたのは、15年間日本に住み、一昨年帰伯した19歳の男性(四世)だ。
彼の日本語は流暢だったが、19歳にもなってその口の利き方はないのではと感じてしまった。友達同士なら良いかもしれないが、初対面なら日本の社会では不快感を覚える人が少なくないと思う。
彼は小学4年生まで公立学校に、そこから先はブラジル人学校に通っていたという。彼の一家は経済危機のためやむを得ず帰国したそうだが、今も日本にいるデカセギ子弟が礼儀を欠いた日本語しか話せないなら、日本で就職するのは難しいだろうと感じた。
記者もポ語を話すが、相手に不快感を与えない表現が身に付いているかと言われると自信がない。
言語の習得においては、文法や語法さえ覚えれば良いというものではない、と身にしみて感じた。(詩)