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未成年飲酒取締り開始=先週末で65件摘発=効果をめぐって賛否両論

ニッケイ新聞 2011年11月23日付け

 サンパウロ州での新飲酒条例発効後30日を経た先週末、飲食店で一斉に取締りが行われ、サンパウロ州全体で65件の違反が摘発されたと22日付伯字紙が報じている。
 今回の取締りは19日の0時から21日の6時まで行われ、サンパウロ州の消費者保護センターと衛生監督局職員が、州内3329のバールやランショネッテなどを訪れた。新条例では、18歳未満への酒の売買や調達を行った店は処罰の対象となるが、今回の取締り期間中は、サンパウロ市だけで40件、州全体では65件の違反行為があったという。
 その中には、15歳の誕生会が開催されたソロカバ市の貸切パーティ会場も含まれていた。同市パルキ・カンポリンにあるこの会場は、土曜の夜に若者たちが集うことで有名だった。会場関係者は「あくまでも『自分たちで責任を負う』との契約で貸しているので、今回の件は私たちには関わりがないはず」と、処罰対象になったことに不満を漏らしている。
 新条例では、違反の内容や程度により、1745〜8万7250レアルが罰金として課される。たとえば、サンパウロ市ブルックリンで摘発された偽造身分証明書を作った16歳の女性の場合、1万7千レアル以上の罰金対象となるという。
 今回の取締りに関して、衛生監督局長のマリア・クリスチーナ・メジド氏は「積極的に評価できる」とした。同氏によると、統計機関の調べをもとに、違反が見つかりそうな、飲食店が密集している地域を地図で洗い出して対策を施したという。また、この取締りが今後、交通事故減少などの効果を及ぼすことも期待しているという。
 これに対し、サンパウロ州飲食店協会は21日、飲酒条例が見直されない場合、訴訟も辞さない構えであることを明かした。同協会のエジソン・ピント氏は「飲食店の範疇ではどうにも出来ないことがある」とし、父親などの年長者が酒を購入して子供に飲ませた場合や、未成年者が偽造身分証明書などを作った場合には「判断のしようがない」としている。
 また、現行法による取締りは、路上や露店での酒の販売者は対象として含まれていないなどの課題もまだ残されている。

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