ニッケイ新聞 2011年11月23日付け
法務省が21日に国外からブラジルへの移住者の数を発表し、移住者の多い国の上位5国を明らかにした。20日付エスタード紙が報じた。
同紙によると、2010年は年間で96万1千人だった外国人登録者の数が、2011年は6月末現在で144万6千人となり、ほぼ1・5倍となっている。移住者の多い上位5国は、ポルトガル(32万8826人)、ボリビア(5万640人)、中国(3万5千265人)、パラグアイ(1万7千604人)、ハイチ(1605人)だという。
1位のポルトガルは、ここ数年来の経済危機の結果、同じポルトガル語圏のブラジルに仕事の場を求めたため。ブラジルの現在の失業率が6%であるのに対し、ポルトガルでは12・5%となっている。
2位のボリビアと4位のパラグアイは、ブラジルと国境を共有しているという地理的な条件と、メルコスール(南米南部共同市場)内では免税や就労の自由が保証されているなどの利点が大きな理由とされる。
3位の中国は、現在米国を抜いてブラジル最大の貿易相手国となり、加えて、BRICsの一員として共に経済成長をしている国としての連帯感が背景にあるとされる。
5位のハイチは、2010年の地震で急増した難民が、新たな生活の場を求めて来たものと思われる。
また、ブラジルの安定した経済発展に加え、14年のワールドカップや16年のオリンピックなど、国際的な行事が行われることへの期待感も移住者の増加につながっているという。