ニッケイ新聞 2011年11月24日付け
27日にF‐1の最終戦が行われるサンパウロ市インテルラゴスの競技場は、5年間で1億レアルを投じたにもかかわらず、下水設備の不備でトイレの悪臭が漂うままと23日付エスタード紙が報じた。
国民的アイドルだったアイルトン・セナ亡き後も、甥のブルーノ・セナやフィリッペ・マッサ、ルーベンス・バリチェロといったレーサーを擁するブラジルにとり、15万人を動員するインテルラゴスでの最終戦は、やはり一大関心事だ。
それだけに、レーサーや整備スタッフを昔から悩ませてきたトイレの悪臭が、今も続いているというのは考え物。今では農村などにしかない汲み取り式トイレは、22日も四つのタンク中二つが溢れ、23日にバキュームカーが派遣されたが、この車による渋滞悪化も近隣住民の頭痛の種。
カサビ市長は年内に解決策を施すと約束し、市役所も来年中に対策完了との文書を寄せたが、観客席増設費などを含む14年までのF‐1向け予算1100万レアルには、下水処理施設の整備費は含まれていない。
同競技場は2009年にF‐1初参加の小林可夢偉選手が特別な思い入れを感じ、サッカーを楽しむ人などが平日も見られる場。近隣住民や関係者は名実共に国際級となる日を待ち望んでいる。