ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | デング熱の予備軍増加=雨の多い夏は特に用心を

デング熱の予備軍増加=雨の多い夏は特に用心を

ニッケイ新聞 2011年12月7日付け

 保健省が5日、今年、重度のデング熱感染の危険がある市は48市と発表した。6日付伯字紙が報じている。
 9月までにデング熱と認定された患者は72万1546人で、うち1万69人が重症、468名が死亡している。
 2010年の1月から9月におけるデング熱による死亡者は、629名で今年より多かったが、デング熱の病原菌を媒介するネッタイシマカの幼虫(ボウフラ)の発生数から算出されたデング熱の感染指数で『重度』と認定された市は、昨年より大幅に増えている。
 同指数では、100軒中3・9軒以上でネッタイシマカの幼虫が見つかる場合を『重度』と見なすが、昨年は270市中24市だったのに対し、今年は561市中48市に増えた。ほとんどは北東部(23)と北部(16)に集中しており、リオ・ブランコ(アクレ州)、ポルト・ヴェーリョ(ロンドニア州)、クイアバ(マット・グロッソ州)の3州都も含まれている。『重度』と指定された市の住民総計は465万人に及ぶ。
 また、指数1以上3・9未満の236市は「注意が必要」な『中度』。1未満の277市は『軽度』で、デング熱流行の可能性は少ないと見られる。サンパウロ州の場合、サンパウロ市などは『軽度』で13市が『中度』であったが、カタンドゥヴァ市が『重度』との診断を受けた。同市の人口は11万2千人で286人のデング熱発症が見られたほか、ほとんどの人が免疫を持たない4型患者が州内で最初に見つかったところでもある。
 アレッシャンドレ・パディーリャ保健相は「指数の高かった地域では、雨の増える1月と2月は特に気をつけてほしい」と国民に注意を促した。