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パウリスタ大通り120周年=サンパウロ市きっての商業中心地

ニッケイ新聞 2011年12月9日付け

 サンパウロ市のシンボル的存在ともいえるパウリスタ大通りが8日で建設120周年を迎えた。8日付伯字紙が報じた。
 パウリスタ大通りは1891年12月9日、ジョアキン・エウジニオ・デ・リマ技師によって築かれ、既に確立していたイジエノポリスやカンポス・エリージオス、レプブリカ広場周辺とは離れたところに立地する住宅地として開かれた。だが、この120年の間に、同大通りの持つ意味合いは大きく変化した。
 20世紀の最初の10年はサンパウロ市の上流階級に最も人気だった住宅地は、やがてビルが立ち並ぶ、先進的かつ熱狂的な商業と金融の中心地に変身。様々な国の建築様式を取り入れた建物が立ち並ぶサンパウロ市きっての都会的な光景は、旅行者や都会人の心をつかんでいった。
 住宅地としての需要は90年代以降落ち、20世紀後半に建設された企業もピニェイロスに移ってはいるものの、海外資本の大きな店が数多く建設され続けていることなどもあり、今日のパウリスタ大通りは1日平均150万人が訪れ、ピーク時には4200台の車が通行する賑わいぶりだ。
 ただ、その一方、20世紀初頭に建てられた、当時の上流階級が居住した貴重な館が次々と取り壊され、現在では5館を残すのみになったことを嘆く声も少なくない。先進性にとらわれるだけでなく、歴史的価値の高い文化財の保存も、これからの課題だろう。
 120周年を記念し、8日夜、コンジュント・ナシオナル(パウリスタ大通り2073番地)のクルトゥーラ映画館では、12種類の楽器の演奏による記念コンサートも催され好評を博した。

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