ニッケイ新聞 2011年12月14日付け
「草の根・人間の安全保障無償資金協力」の資金援助で実施されたア・パトチーニャ特殊学校(パラナ州ボラゾポリス市)の補修・改修工事がこのほど完了、「障害者を支える親と友の会(APAE)」の同支部が先月25日、同校の完成式典を挙行した。
昨年12月、APAEと在クリチーバ総領事館が8万9720米ドルの贈与契約を締結していた。
山口登在クリチーバ総領事、西森ルイス連邦下議、APAE会長、同校校長、市長、市議会議長ら来賓のほか、職員、生徒、父兄、地元日系団体代表者など約150人が出席した。
同学校は1989年設立以来、知的および身体障害者向けの医療、教育活動を行なってきたが、建物の老朽化や地盤沈下のため校舎と中庭が著しく損傷し、事業や事務、リハビリ活動に大きな支障をきたしていた。
さらに市の消防局、衛生監督局からも校舎倒壊の危険性を指摘され運営停止も危ぶまれていたため、校舎の早急な改修が必要とされていた。
山口総領事は、5年前に草の根資金協力を利用し、ポラゾポリス市民病院に医療機器援助を行なったことを踏まえ「同市内の施設に5年間で2度の草の根無償を実施することは稀だが、市民、地域住民のために大切に使われているのを確認でき非常に満足している」とあいさつした。
なお、99年に始まった草の根資金協力を通じ日本政府は、これまで同州で55のプロジェクトを実施。このうち四つが各市のAPAEに対して行われたものだという。