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ドキュメンタリー『笠戸丸移民100年の証言』=沖縄県人会で上映会開く=これから進むポ語翻訳

ニッケイ新聞 2011年12月24日付け

 今年完成したドキュメンタリー『笠戸丸移民100年の証言』の上映会が15日、沖縄県人会館で開かれた。同県人会の支部長会議と時間が重なり、当初予定していた午後7時から1時間半近く過ぎての開始となった。
 製作者の野崎文男さん(79、東京)をはじめ観客15人が訪れたほか、年末の総会を終えた沖縄県人会の各支部長ら20人が参加、忘年会の場で上映された。
 冒頭、与那嶺真次会長が「第一回笠戸丸子孫の言葉を写した貴重な映像」と紹介した。
 映画は、移民事業が始まった明治日本の時代背景に始まり、移民の苦悩の歴史を辿り、笠戸丸移民の子孫達の証言を交えながら、現在繁栄する日系人達の姿を映した。
 ブラジル初の日本人歯科医・金城山戸と賭博師イッパチ(儀保蒲太)が、日本へ共に帰国することを約束するも叶わなかったエピソードの場面では、二人が県人だったこともあり、会員は特に見入っていた。
 ルーカス・マシエルさん(21)は「笠戸丸の存在は知っていたけれど、今日の日系社会に至るまでの流れは知らなかった。勉強になった」と感想を語った。
 笠戸丸移民の山城梶一郎の孫、沖縄県人会理事の山城パウロさん(83、二世)は「祖父と父は別々に来伯したため、祖父のことをよく知らない。映像として残してくれると子孫にも伝わる」と話した。
 上映後、野崎さんは台本を製作に協力した山城勇・同県人会評議員長に手渡し、ポ語翻訳を依頼した。
 野崎さんは「これで三、四世以降にも歴史を理解してもらうことができる」と喜んでいた。