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社会のニーズに応えて=サンパウロ日伯援護協会=会長 森口イナシオ忠義

ニッケイ新聞 2010年1月1日付け

 新年明けましておめでとうございます。
 日系社会の皆様におかれては、健やかに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。
 旧年中はサンパウロ日伯援護協会の社会福祉並びに医療事業に温かいご支援ご協力を戴き厚くお礼申し上げます。
 ご周知のように、2009年度は当協会〃援協〃にとって創立50周年という大きな節目の年であり、特別な思い入れのある年でありました。この創立50周年、また移民百周年の記念事業として立ち上げた社会福祉センターの建設も順調に進み、8月には落成式を挙げることが出来ました。また、10月には各種の専門科を揃えた診療所をイタケーラ地区に開所いたしました。
 このように2009年度は計画していた大きな事業をこなし実りある意義深い年でしたが、しかし、この陰には日系社会の熱烈な支援と温かい励ましがあったことを忘れることは出来ません。ここに、改めて深甚なる謝意を表します。
 さて、創立51年目に当たる本年度は援協にとって新たな決意のもとにスタートしなければならない年でもあります。援協は日系社会の中で生まれ、育ち、社会のニーズに応じ組織も大きくなってきました。高齢化が進む日系社会、多極化が進む日系社会において、繁栄しているように見える日系社会も様々な問題、特に高齢者問題が増えております。それらの問題に対して出来るだけより良い対応をしていくためにも、福祉センターを十二分に活用していくことが求められます。また、福祉事業においても、医療事業においても政府の規制、業界の要求はますます厳しくなっており、経営の一層の合理化も求められています。
 まわりを取りまく環境は厳しいものがありますが、関係者一同、本年度も予定している事業を推し進め、日系社会のみでなくブラジル社会においても社会のニーズに沿った福祉・医療活動を増進し、いささかでもお役に立ちたいと思います。
 新年に臨み、皆様にとって本年度が良き年でありますよう、ご健勝とあわせて祈念し、ニッケイ新聞を通して私の挨拶とさせて頂きます。