ニッケイ新聞 2010年1月5日付け
12月30日から降り続いた雨で、リオ、サンパウロ、ミナス3州では、土砂崩れなどによる死者86人、歴史的遺産倒壊、幹線道路遮断など甚大な被害が出ている。
1~4日付伯字紙などによると、30~31日に、リオ、バイシャーダ・フルミネンセ、ニテロイ3市で土砂崩れによる死者が出たのに続き、1日未明にはアングラ・ドス・レイス市内と対岸のイーリャ・グランデでも土砂崩れが発生。
3日現在のリオ市周辺の死者は、リオ11人、バイシャーダ・フルミネンセ9人、ニテロイ2人。その中には、土砂崩れから8時間後に倒壊家屋の中から救出され、病院収容後に亡くなった3歳女児も含まれている。
また、州西部のアングラ・ドス・レイスでは、4日午前中までに、イーリャ・グランデで29人、同市内で18人の死亡確認という大被害。
イーリャ・グランデでは、島の中心の岩盤と上部の土の層との間に雨水の層が出来、地滑りが発生。海岸の宿屋ポウザーダ・サンカイでは、オーナーの娘やその友人のミナス州ベロ・オリゾンテの大学生グループ、周辺の家でもサンパウロ州アルジャーからの家族連れなどが巻き込まれ、地元の人も含む29人が死亡(関連記事は7面にも掲載)。
4日も行方不明者3人の捜索が行われ、海は土色という島に対し、アングラ市内では、北部丘陵部分の土砂崩れで4日昼過ぎまでに21人の遺体を回収。市内でも、他に被害者が居ないか捜索は続いている。
サンパウロ州では、グアラレーマで4人、クーニャで6人が土砂崩れで死亡。サンルイース・ド・パライチンガでは、増水した川が市内ほぼ全域を覆い、市の象徴である教会堂崩壊など、歴史的地域8割に損害が出たが、3つのラフティング(カヤックなどのボート競技)クラブ員が救出作業に参加、死者は1人で済んだ。ミナス州でもジュイース・デ・フォーラで3人の死者が報告されている。
海岸からのUターン・ラッシュの3日は、オズワルド・クルース道が不通となり、タモイオス道が大渋滞。一時通行許可が出たリオ~サントス道は土砂崩れで2カ月封鎖と報告されるなど、南東伯は大雨の爪跡が各所に残る年明けとなった。