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中東和平交渉=ブラジルがハマスと接触=パレスチナ政府が反発=ブラジル政府に警告発す=水面下で交渉するアモリン

ニッケイ新聞 2010年1月8日付け

 アモリン外相は6日、ジュネーブで、ブラジル外交が非公式に中東和平を視野にした外交活動を展開していることを明らかにしたと7日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。国際社会が見守る中、非公式にハマスと接触したことを、パレスチナ政府から厳しく警告されたブラジルは、苦い体験を味わったようだ。外相はスイスでパレスチナのリヤド・A・マルキ外相を訪問、ハマスに過激行動を慎むよう促した。

 アモリン外相は、ハマス接触はパレスチナへの奉仕という善意のもとに非公式に始まったものであり、困難を乗り越えて折衝を継続と宣言。しかし、テロとも誤解されそうなハマスに理解を示したブラジル外交は、微妙な局面に立たされている。
 ブラジルとハマスの折衝は霧の中なので、ブラジルの関与を知らない人間の行為という可能性もある。ハマスとの接触は、どんな些細なことでも表沙汰になると、国際社会からは交渉の失敗と理解される。
 政府は外交政策と関係なく、パレスチナとイスラエル、ブラジルのサッカー親善試合の開催を提案した。しかし、マルキ外相は6日、好意には感謝するが、サッカーに熱中するような環境にないと断ってきた。
 欧米社会から白い目で見られているハマスとの対話を、ブラジルは模索している。ハマス説得から中東和平会議の開催へお膳立てし、ブラジルが幹事役を担う考えであった。だが、パレスチナの回答は厳しかった。
 「パレスチナは、ハマスをパレスチナ政府の一員と見なしていない。接触は、ハマスを合法的組織と見なしたと国際社会から誤解される」とパレスチナ政府が警告した。
 パレスチナ政府は、中東和平会議の前にすることが沢山あるという。世界へ離散したパレスチナ民族の国際会議を、ブラジルで開催すること、3月ルーラ大統領によるパレスチナとイスラエル、ヨルダン訪問をアモリン外相が提案し、足場つくりに備えるよう進言。
 マルキ外相は欧米とロシア、国連によって推進する中東和平交渉を、口ばかりで何もしないと酷評。和平交渉には名実ともに誠意を見せる多数国が参加し、無政府状態のパレスチナ建設に協力する国を待望という。
 ブラジルがパレスチナに経済的な肩入れをするなら、仲介役として大歓迎する意向を示した。ブラジルが和平会議の幹事役となるなら、参加各国の貢献度見張り役となって欲しいと述べた。