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機種選定の裏が見える=仏大統領が伯推薦を=安保理常任理入り策す=戦闘機と引き換えに?

ニッケイ新聞 2010年1月9日付け

 サルコジ仏大統領は7日、政府が仏戦闘機Rafale購入の意向を表明する中、ブラジルが国連安保理の理事国入りを果たせるように最大限の努力を尽くすことを発表と8日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙などが報じた。仏大統領は、常任理事国を現在の5カ国からさらに増員するため、緊急の安保理改革が必要であると強調。同大統領は短時間の演説のなかで7回もブラジルを引き合いに出し、安保理におけるブラジルとインドの存在は、数々の国際間の難問を解決するため不可欠であると訴えた。

 「国際的な難問解決には、力のある新興国の参加が必要。ブラジルやインド、アフリカなどを抜きに、誰も国際問題を解決できない」と、同大統領はパリで開催された「新世界と新資本主義」会議で強調した。同会議には、アモリン外相と政府要人も出席した。
 「新世界秩序は現行の経済機構に改革を求めている」と同大統領がいう。新たに組織されたG20は、G8とは明らかに異なり意欲を見せた。最早、G20の前にG8は、存在が無意味になったと評した。
 国連安保理の改革は、今年中に行われると見ている。常任理事国の新しい席は、ブラジルに供与しなければならない。ブラジルは現在、非常任理事国として2012年までの任期にあるが、ブラジルの世界貢献度は常任入りに価すると同大統領は見ている。
 現理事国は、常任5カ国と任期2年の非常任10カ国の15カ国。これに、ラテン・アメリカ1カ国、アフリカ1カ国、東欧1カ国、アジア2カ国を新常任入りさせて25カ国とする案をブラジルが働きかけている。
 サルコジ大統領のブラジル常任理入り推薦は、図らずも戦闘機36機の機種選定と時を同じくした。戦闘機の機種選定では、実用を重んじた空軍と政治取引を視野に入れた行政府が見解を分けるところとなった。 
 フランスの「ル・モンド」紙は、ブラジル政府が軍政時代の拷問究明で真相解明委員会の設立を検討したことで、トバッチリが戦闘機へ来たと見ている。どっちが優るかは、フェラリとヴォルヴォを比較するようなものという。