【既報関連】給与調整が据え置かれ、教職員ストが続いているサンパウロ総合大学(USP)で、前学長が学内の審議会の許可もなく人権費の増額を認めたことが発覚したと21日付フォーリャ紙が報じている。
USP側は人件費が州からの援助金の105・5%にあたり、既に予算を使い果たした状況として給与調整に応じない姿勢を打ち出している。
同大学の教職員組合はこれに対し、人件費増大は前学長のジョアン・グランジーノ・ロダス氏が報奨金や諸手当を無許可で吊り上げたことによって起きたとの報告を行なった。本来ならこうした出費増額は審議会の了承を得て行なわれる。
2009年から13年にかけてのUSPへの援助金を51%引き上げられたが、この間の人権費は83%上がり、援助金に対する人件費の割合は年々膨らんでいる。2010年の時点でのこの割合は80%だったが、12年には95・7%に跳ね上がった。13年は100%となり、14年は援助金額を超過した。援助金を上回る経費はUSPがこれまで蓄えてきた資金で賄われてきたが、貯蓄の目減りは年毎に大きくなっている。
人件費の急増はこれまで「キャリア・プラン」制を導入したことが原因とされ、09~13年の人件費は99・5%上がっている。だが実際には、これに加えて、審議会が承認していない出費増が存在した。
そのひとつは2012年と13年に分けて払われた「報奨金」で、1人6千レアルが2万3千人いる教職員全員に分割払いで払われた。
さらに、12年6月までは2千人の教職員にしか認められていなかった食事手当てが、全ての教職員に適用された。全員に支給されはじめて以降の同手当ては月額510レアルから590レアルに上がっていた。
マルコ・アントニオ・ザガ学長は、「組合側からの最終的な報告書を受け取るまでは何も話さない」と語っている。
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