ニッケイ新聞 2010年1月15日付け
FHC前政権で中央銀行総裁を務めたグスターヴォ・フランコ氏は13日、もしもセーラサンパウロ州知事が次期大統領に就任するならば、経済政策は次のように変わると述べたことを14日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
次期政権では、先ず財政政策から手をつける。経済の根幹である通貨政策の調整だ。政策金利や為替、インフレ、政府債務など経済の柱への影響を意味するという。
「調整の折り返しは、政府経費の削減と税制改革で始まる。政府経費と税収の均衡を図るため、現政権のように国債を発行する必要はない。配当率を引き上げ、既存の国債の魅力を強めることに専心」と同氏はいう。
財政状態が好転すれば、政策金利はインフレを呼び込まない範囲で現行よりも低利政策を採る。フランコ元総裁によれば、PSDB(民主社会党)は、古典経済学に添った低金利政策を採る考えだという。
「経済が健全であれば、健全な通貨として高騰は避けられない。従って来る何年かは、ドルに対するレアルが逆転することは、考え難い。為替市場で変化の可能性は、極めて低い」と発言。
為替市場に中銀が介入する可能性はあるが、大勢は変わらないと同氏は見ている。ブラジルは為替の高騰に対決する訓練が必要と忠告。為替とは長い目で見れば、国際競争力の結果といえる。
為替相場は自然に生まれるもので、だれかが操作してできるものではないと同氏はいう。現政権はレアル高騰を抑えるため、流入外資にIOF(金融税)を課税した。PSDBは、ドル安レアル高を意に介していない。それは一時的現象で、やがて調整期が来る。