ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

外国人に高くつくブラジル=ドル安が生活費押上げる=欧米諸国より高い品物も

ニッケイ新聞 2010年1月19日付け

 景気回復や為替変動などの影響で、ブラジルでの生活は外国人研修生や駐在員には思いのほか高くつくと17日付エスタード紙が報じた。
 その一例は、サンパウロ市パウリスタのアパート家賃が1700レアルと言われた、ポルトガル人研修生のヴァニア・セラフィンさん。リスボンなら、友人との相部屋は、ガス・電気・水道込みで500レアル相当の200ユーロで済むという。
 国内消費に支えられ、国際的な金融危機からは先進国に先んじて脱出したブラジルへ来る旅行者や駐在員が増加する一方、来訪者には生活費の負担がどんどん重くなる傾向が表れてきている。
 この傾向を示すものの一つが国際的な購買力比較にも使われるビッグ・マック指数で、マクドナルドのビッグ・マックの国内価格は4・02ドル相当。欧州4・62ドルに次ぐ世界2位で、米国3・57ドルやメキシコ2・39ドルを上回る。
 また、エスタード紙がコンサルタント会社に依頼して行った調査によれば、キロ当たりのパンの価格は3・7ドルで、英国の4・6ドルや日本の4・4ドルに次ぐ値段。同様に、ヨーグルト1キロの2・9ドルも、イタリアの5ドルや英国4・6ドル、ポルトガルや米国3・5ドルより安いが、フランスと同額だ。
 中には、インスタントスープ、冷蔵庫、トイレット・ペーパーなど、世界一、二とランキングされた品もあり、加工品や工業製品が高価につく傾向が見られる。
 また、国外在住者や頻繁に旅行する人からも、イタリアなら500レアル相当の200ユーロで買えるソファーベッドが、サンパウロ市では1600レアルすると苦情の声が上がっている。
 国外より高くつくのは一部サービス料金も同様で、子守や家政婦は安く雇えるが、09年のインフレ率以上に値上がりした外食費や、観光地でのサービスはより高い。
 これら一連の高値感はドル安傾向に伴うレアル高とも関係があり、09年3月に世界143市を対象に行われた生活費調査では、08年の25位と31位から、72位と73位に順位を落としたサンパウロ市やリオ市も、今年の調査では大きく順位を上げることになるだろう。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button