ニッケイ新聞 2010年1月19日付け
中央銀行は15日、中国の資材需要が拡大したことで投資家がコモディティ市場へ殺到と発表したことを16日付けエスタード紙が報じた。
同現象には、国際経済回復の兆候と見る見方と、インフレを引き起こし、ようやく持ち直した産業活動を崩壊させるバブルだという見方がある。CRB(コモディテイ指数)は、最低時の昨年2月から今年1月までに44%上昇。
欧米経済が底打ちと見られた最後の四半期だけで、16・6%の上昇であった。07年の最盛期とは程遠いが、天然資源の豊かなブラジルは、最大に恵まれる国だ。
ヴァーレとペトロブラス株が急騰している。コモディティの国内価格も調整した。中銀は、政策金利の引き上げ検討に入った。エコノミスト誌は過去1年、金属鉱石が97%増、食糧が32%増と発表した。
コモディティの牽引車といわれる原油は昨年2月、43・6ドルから同年9月、67・7ドルへ高騰。1月14日には、80・5ドルへ上昇。米経済の低迷を尻目に、国際経済は回復の兆候を見せている。
原油の相場は今年、75ドルから80ドルを往来すると見ている。08年の140ドルには及ばないが、過去の平均プラス30ドルだ。原油は成長産業で、新興国が一斉に生産へ投資している。