ニッケイ新聞 2010年1月21日付け
サンパウロ市ボン・レチーロで整備中の日伯スポーツ文化センターに足を運びあちこち見ていると、日本にいるような錯覚を覚えた。
敷地内には丸太橋がかかり、野球場やゲートボール場、建築中の土俵を備える。移民の生活を象徴するようなスポーツが、移民百周年で再評価された格好だ。
野球の分野ではイビウーナのアカデミア出身の選手が日系・非日系問わず日本で活躍し、相撲にいたっては現在8割以上が非日系とか。
日本移民が続けてきたから評価されたのではないと思う。ブラジル社会に浸透したからこそ、ではないか。その証拠に、建設はもちろん、維持・運営もサンパウロ市が行う。
日本人にとって〃教育〃の面も併せ持つこれらのスポーツ。礼儀作法や忍耐力など、それをどこまで選手たちに伝えられるか。施設だけではなく、日本人の心も残って欲しい。 (仙)