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忍び寄るインフレ=バスを引き金に庶民の懐を

ニッケイ新聞 2010年1月22日付け

 FIPE(サンパウロ大学経済調査部)は19日、1月4日からの路線バス料金の17%値上げが、サンパウロ市民の懐にはインフレの引き金になったと発表したことを20日付けジアリオ・ド・コメルシオ紙が報じた。
 このバス料金の値上げは、サンパウロ市での1月15日までの30日間の消費者物価指数(IPC)が0・85%上昇した原因の30%をしめている。
 1月第1週までのIPCでは1・19%上昇した交通費は、第2週までのIPCでは2・32%とほぼ倍の上昇率を記録。交通費上昇には、燃料用アルコールとガソリンの値上がり(9・05%と0・63%)も影響を及ぼした。
 食品価格も、第1週までの0・44%が、第2週まででは1・26%の高騰を見せた。食品価格のうち生鮮食品は、降雨が原因で2・06%から3・48%の価格上昇。
 これらの要因からFipeでは、1月のIPC予想を1・2%から1・46%へ上方修正した。09年1月は0・46%だった。ただし、年間予想は、4・5%で据え置かれている。
 一方、FGV(ジェットゥリオ・ヴァルガス財団)が12月21日から1月10日に行った調査では、借家料調整に使われる総合物価指数(IGP―M)が0・51%上昇。昨年12月はマイナス0・26%だったが、1月はプラスへ転じることが確実視されている。
 同調査では、IGP―Mを構成する3項目(卸売物価指数とIPC、土木建築指数)すべてが上昇傾向にあるが、1月は高騰しても1%以下の上昇で終わると見ている。
 11月21日から12月10日はマイナス0・38%だった卸売物価指数は、1月10日までの調査で0・44%上昇。
 IPCも同様に、12月の0・19%が1月には0・74%の上昇。食料1・19%、学費1・63%、市内バス2・79%の上昇が響いた。
 土木建築指数も、12月の0・22%から0・4%へと、ほぼ倍の上昇率を記録した。