ニッケイ新聞 2010年1月27日付け
日系人の日本入国・在留許可の要件を厳しくする内容を盛り込んだ報告書が法相に提出された。デカセギの失業・住宅難が問題となる中で、仕事、住む場所があることを要件とし、就職、生活のための「一定の日本語能力」を求める内容だ。
90年の改正入管法施行で始まったデカセギ現象。振り返れば06年、「定住者」資格の日系人に無犯罪証明が求められるようになったのも、在日ブラジル人による犯罪増加があった。
報告書にある、専門知識・技術をもつ外国人優遇という方針が長期的な視野に立っているのに対し、日系人に関する施策は今も〃場当たり的〃な印象を受ける。「一定の日本語能力」に批判が出ることも予想される。
この方向で入管法が改正されれば、新規入国は減り、定住化はさらに進むだろう。送り出すブラジル側にも大きな変化が訪れるのではないか。(ま)