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国際通貨基金=世界経済回復は予想以上=伯4,7%へ上方修正=頼りの米市場も復活の兆=新興国へ流通量集中か

ニッケイ新聞 2010年1月28日付け

 国際通貨基金(IMF)は26日、世界経済が予想より早く回復し、2010年は経済成長率3・9%を達成し、2011年は4・3%見込みという楽観的な報告書を発表と27日付けフォーリャ紙が報じた。一方、ブラジルについては、2010年のGDP成長は(国内総生産)4・7%を達成とし、これまでの3・5%を大幅に上方修正した。但しブラジルは、新興国中で成長率が最も緩慢だと苦言。本来なら中国の10%やインドの7・7%に刺激されて、ブラジルは6%を達成しなければならないと叱咤した。

 IMFの予測は普通、ブラジル政府や市場観測よりも保守的な予測をする。それでも財務省のGDP予測5・2%や、中央銀行の予測5・3%に近付いた。
 IMF報告書では、先進国の低金利政策により、資金の流れがブラジルなど高金利の新興国を目指して移動していることで、株価の値上がりなど金融資産の高騰を懸念している。新興国は均衡財政を損なわないよう、危機後の特別な金融政策を早めに切り上げることも視野にいれるよう警告を発している。
 国際金融協会(IIF)は26日、国際金融からブラジルや中国、インドなどの新興国へ流れる資金は今年中に66%も増加する可能性があると予測する。IIFは主要工業国の中央銀行38行から構成される。
 IIFの予測によれば、新興国における流通量は10年、7220億ドルに達する。09年の流通量は、銀行が直接投資を増やすための貸付額で計算して4350億ドルと見ている。
 IMFは、危機克服の状況変化を手放しで喜んでいる。これまで憂慮していた米市場の在庫整理と消費の回復は、目を見張るものがあるという。ブラジルや中国など新興国は手堅い国内需要の伸びによって発展を持続させている。
 一時はどうなるかと危ぶまれたオバマ米政権も、ようやく面目を施しつつある。同大統領が打ち出した危機対策が、芽を出しつつある。画期的な通貨の大判振る舞い政策、世界でも稀なマイナス超低政策金利の効果が現れ始めたとIMFが報告書で述べた。
 昨年10月のIMF報告から見ると、非常に明るい内容だ。前回は、二重底の危機といった。一回目の危機は、2010年下半期までに克服。その後で二回目の危機が来ると予測していた。
 同報告書は、新興国の現在の成長は危機後の克服策によるところが大きく、この政策を早く取りやめ過ぎると経済減速を招くと警告している。

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