ニッケイ新聞 2010年2月3日付け
運輸業協会(CNT)のセンサス調査は2月1日、シロー・ゴーメス下議(PSB=社会党)の存在が大統領選挙の動向に大きな影響を与えていることが判明と発表したことを2日付けエスタード紙が報じた。
支持率調査は同下議を含めて、セーラサンパウロ州知事(PSDB=)が33・2%、ロウセフ官房長官が27・8%、ゴーメス下議11・9%、マリーナ・シウヴァ上議(PV=緑の党)6・8%。11月の前回からセーラが1・4%、ロウセフが6・1%上げた。
同下議を除くとセーラが40・7%、ロウセフが28・5%、シウヴァが9・5%。ロウセフの決選進出は、同下議の出馬が鍵となる可能性があるにも拘らず、ルーラ大統領は、ゴーメスにサンパウロ州知事選出馬を奨めているが、本人は乗り気ではないようだ。
政治学者のアウベルト・アウメイダ氏は、セーラが立候補の名乗りを上げていないので、ロウセフの1人舞台であるという。ロウセフは全国を走り回って、セーラは沈黙を守ってこの結果だから本番が愉しみだ。
ゴーメスは段々影が薄くなり、正式候補はないと同氏は見ている。シウヴァが大統領選に伍するには、12%以上を集める必要があるという。
一方、調査機関のジョアン・B・ラベロ主任は、現時点での調査結果が選挙の決定的要因にはならないという。現在はロウセフだけが1人立候補を表明し、大統領の七光りを欲しいままに。他の3人は音なしの構え。
セーラは無反応。ゴーメスは休暇をとって欧州旅行。シウヴァは街頭にも立っていない。この時点では、ロウセフだけがルーラという選挙参謀を持っていることを示しただけだと同氏はいう。
それでもいえることは、ゴーメスがロウセフにとって妨げより役立つ方が大きいこと。しかしゴーメス抜きなら、同氏支持票がどこへ行くかはまだ分らない。
大統領府は、ゴーメス下議がロウセフ支持の表明だけでなく、演台に立って支持演説を打つことを計画している。ゴーメス下議の日和見的態度が、ルーラ大統領のストレスに拍車をかけ血圧を上げたようだ。
ロウセフ支持が僅かながら上昇気流にあることで大統領は「選挙に勝つパターンをつくる。ルーラの後継者は、ルーラ以上であっても、ルーラ以下であってはならない」と声明を発表した。