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避けられた筈の20人の死=街道でバス絡む事故2件=専門家の過失も増加傾向

ニッケイ新聞 2010年2月4日付け

 1日、2日に、ゴイアス州とサンパウロ州の街道で、バスも絡む事故が連続し、20人が死亡。交通事故はある意味で人災だが、避けられた筈の20人の死に、遺族達は深い悲しみに包まれている。
 2~3日付サイトや伯字紙などによると、ゴイアス州の事故は、ゴイアニアから283キロのモンチヴィジウに近い州道で発生。トラック同士の事故の後、1台がスクールバスにぶつかった。
 農村部の子供達が待ち望み、喜んで登校した授業初日、5~15歳児9人を含む12人が死亡、29人が負傷した。
 2日の合同葬の様子は3日朝のテレビでも報道されたが、3人の娘を一度に亡くした父親は、慰める言葉も見つからない程。生まれて初めての学校だと、喜び勇んで出かけた息子を亡くした母親も、「安心して送り出したのに、あの子は二度と帰ってこないなんて」と悲嘆にくれる。
 一方、サンパウロ州の方は、マイリポランに近いフェルナン・ジアス道のカーブでの事故。ミナス州に向かうバスが、中央分離帯のガードレールも壊し、横転したまま対向車線を横切って、路肩の草むらで止まった。
 この事故では、乗客39人中8人が死亡し、残りの乗客と、対向車線を走ってきたトラック1台と乗用車2台の運転手ら30人以上がケガ。サンパウロ市に検査に行った妻を約束の時間に迎えに行き、遅れていると問合せに行った警察で、妻の死を知った男性もいる。
 バス運転手は、他車が進行妨害したと言うが、乗客はスピード違反を指摘。運行記録計が行方不明の一方、記録消去済み記録計を複数所持の運転手は、業務上過失傷害致死容疑で逮捕された。
 交通事故で死傷者が出る事故はスピード違反が最多。1日付フォーリャ紙によると、国道での違反は、スピード、追越し禁止の場所での追越し、登録未更新、シートベルト不使用、無免許運転の順で、国道での無免許運転摘発は200件/日。
 一方、専用免許を持つ運転手が扱うバスやマイクロバスの事故も増加中で、サンパウロ市では、舗道に乗り上げ歩行者死傷などのバス類の事故は、日に4件、年に1440件も。1月30日付エスタード紙では、同市のスクールバスの違反摘発も2日に1台と報じている。

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