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EU危機の中、資金調達=強気のブラジル低利国債発行

ニッケイ新聞 2010年2月19日付け

 金融危機はEUへ上陸、Pigs危機(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペインの頭文字を取ればPiigsだが、Pigsの形でも使われる)を招き、長患いの様相を呈する中、ブラジルの国税庁は50年満期の国債を発行と11日付けエスタード紙が報じた。
 利率はこれまでの最低で、投資家には優良債券の何たるかを当てつけた感があると、経済評論家のアウベルト・タメル氏が次のように説明した。 まさにEUが金融危機で揺れるところへ、ブラジルが資金調達に出たのは敗残兵から鎧を剥ぎ取る無情というか、勝者の特権というか、強気の姿勢が見え隠れている。
 Pigsの惨状を前に、投資先はブラジルしかないことを示威した。そこで売り出したのが、過去最低率の国債。
 ブラジルは、危機突破の大先輩。ブラジルがモラトリアムを宣言したとき、国民は臥薪嘗胆の思いで涙を呑んできた。
 破綻状態を迎えたギリシャ経済はEU中銀の助けを期待したが、トリチェット頭取は応急措置だけという。これでPigs危機は、新聞の1面を賑わすことになる。こんな時、橋の下を水が大量に流れることを、ブラジルは知っている。
 危機の本流は同じだが、名前はひんぱんに変わった。サブプライム危機から不良債権危機、ソブリン危機、アイスランド危機、ドバイ危機、最後にPigs危機。
 次は何処へ飛び火するのか。資本主義の危機といっても、それに代わるものが、考案されなければ危機は続く。生産部門の弱体化や高齢化、失業者が危機予備軍として待機している。

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