不動産ブームに沸く=ローン融資額は過去最高
ニッケイ新聞 2010年2月24日付け
住宅金融公庫(BNH)が22日、09年のブラジルは不動産ブームの年で30万2700物件が売却され、ローンの融資額が340億レアルに上り過去最高と発表したことを23日付けエスタード紙が報じた。
この勢いは、今年も再更新すると見られている。不動産投資の金融システムは、他業種にも参考としてシステムのソフト販売を行う計画。
不動産ローンの特長は(1)法的安定性が確立していること。債務不履行による物件引取りや譲渡手続きが、簡易敏速に行われる。(2)決済期限が30年以内なら延期可能になり、月賦額を縮小できる。(3)経済安定が不動産取引を活性化させ、利子の低下が期待でき、不動産の購買意欲を盛り立てている。
不動産は高嶺の花であったCクラスにも夢ではなくなり、ブラジルの大部分を占めるクラスが不動産に関心を持ち始めたことは、特記に値する。政府の簡易住宅プログラムは、ローンの踏み倒し減少を示威した。
このような背景から不動産市場に余り関心を示さなかった都市銀行が、投資意欲を見せるようになった。10年には、昨年同期比で40%増のローンを予想している。
不動産ローンが今後、ブラジルのクレジット業界で牽引車になると予想される。世界の不動産ローンは、平均で全融資の65%を占めるが、ブラジルでは僅か5%に過ぎなかったからだ。
一方、建設会社は、大統領選挙後の不動産市場を心配している。不動産ブームの火付け役となった政府の簡易住宅キャンペーンが、目標40万戸のうち完成は27万5千戸である。選挙後は、どうなるかだ。
政府のキャンペーンが中断されても、運転資金200億レアルが捻出できれば、簡易住宅の建設継続は可能だ。住宅需要は尽きることがない。簡易住宅が動けば、不動産業界全体が動く。