ニッケイ新聞 2010年2月24日付け
オオクボローザ研究所(マリオ正男所長)は、科学技術省、スポーツ省、労働省、観光省と合同で11日午前サンパウロ州工業連盟(FIESP)講堂で日本移民百年の功労を称えるメダル授与式を開催、各分野で功績を収めた46の個人・団体にメダルが贈られた。ブラジル農業の発展、日本文化継承に貢献した人、日本移民の活動を支えた政治家などが対象とされた。
マリオ所長、オーランド・シルバ大臣(スポーツ省)、ジョゼ・ロベルト・デメロサンパウロ州労働局長、ペドロ・ビガルジサンパウロ州連邦議員、与儀昭雄県連会長らが出席。
マリオ所長は、「日本移民の奮闘の歴史がブラジル政府に認められた。全ての苦労に意義があった。全ての移民がこのメダルを受け取るに値する」と強調した。
オーランド大臣は、「日本移民が百年の歴史とともに文化、技術、スポーツ各分野でブラジルを高めてくれた」と述べ「特に柔道、剣道、空手、合気道などスポーツ面でもたらした功績は大きい」と称賛した。
出席した代表者46人が呼ばれ、来賓から一人一人にメダルがかけられた。
ミナス・ジェライス州でセラードを開発したフジミナス社を代表して出席したのは、創立者・故藤原トシオさんの妻チエミさん(79、二世)で科学技術省よりメダルが贈られた。
「夫が築いた会社が表彰を受けるなんて。本人が聞いたらさぞかし喜んだでしょう」と話した。
同研究所の創立者・故大久保ローザさんには、科学技術省からメダルが贈られた。出席した娘の桑原えつさん(和歌山)は、「母は、ブラジルへ行くことを反対されながら渡伯しました。苦労の末、この地で研究所を立ち上げたことを誇りに思います」と語った。
1961年ブラジルに初めて合気道をもたらしたとされる故河合禮慎さん(享年78、島根)には、スポーツ省からメダルが贈られた。
河合さんは、合気道連盟を立ち上げ各地でその普及に努めた。昨月受賞の知らせを前に亡くなり、次女のリウバさん(40)が出席した。
亡くなる前日まで道場で指導にあたっていたという。リウバさんは「本人が直接メダルを受け取れなかったのが残念です」と話し「でも、父もきっと喜んでいるはず。今もこの場にいて一緒に受け取ってくれたでしょう」と笑顔を見せた。