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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2010年2月24日付け

 パラナ州の百周年記念事業としてローランジア市に「夢」テーマパークという、移民史を再現する記念公園構想があったが、先月の同連合会総会では「夢で終わるかも」との声も出ていた▼ところが22日、イタリア系植民地から始まった南大河州ファロウピーリャ市は、民間企業に委託する形でノーバ・ミラノ区にあるイタリア移民公園内の土地を使って「ノーバ・イタリア」テーマパークを建設する構想を発表した。総工費4千万レアルで、入場口にはコンスタンチン門やローマの円形競技場が再現され、1875年から始まったイタリア移民の軌跡を描いた4D映画(立体画像)の上映が行われるとか▼さらに、5千人の子孫が集中するサンパウロ州リベイロン・プレットのシダーデ紙19日付けによれば、今年から同市立劇場でダンテ・アリギエリ協会による伊移民シンポと伝統舞踊のイベントが「移民の日」の行事として始まった。同地では93年から七夕祭りも開催されており、「七夕にならって毎年やる」(同紙)とのアイデアというから、百周年の思わぬ副産物といえなくもない▼百周年がブラジルメディアで大々的に扱われたことが一つの刺激になって08年6月に制定された「イタリア移民の日」(21日)を迎え、このように同コロニアでは様々な動きが出ている。135年も経った先輩に、日本移民が影響を与えているのは興味深い現象だ▼かとおもえばサンパウロ州ノロエステの中心地アラサツーバでは昨年、伊系ブラジル人聖北西協会が設立され、毎月30人もの子孫がEU就労のために伊国籍取得の相談にきていると地元紙が報じている。こちらも身につまされる話だ。(深)