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日本の歌謡曲に初挑戦=DUO SCIOTTIのデリコさん=兄弟でCD「絆」完成

ニッケイ新聞 2010年3月3日付け

 テレビ番組「プログラマ・ド・ジョー」の専属バンド「O SEXTETO」のサックス奏者として有名なデリコ・スシオッチさん(本名ジョアン・フレデリコ・スシオッチ、43)と弟セルジオさんのデュエット「DUO SCIOTTI」が、日本の歌謡曲を収録したCD「絆」を制作した。デリコさん、マネージャーのウェルネル・ヘイリーさんと、選曲に携わったターザ・エベント社の佐藤孝男さんが本紙を訪れ、完成を報告した。
 デュエットでのCDは9枚目。今までジャズやブルース、サンバを扱ってきたが、今回初めて日本の歌謡曲を選曲した。デリコさんがフルート、ソプラノサックス、テノールサックス、セルジオさんがキーボードを担当し、1年をかけて完成した。
 サックス歴30年、フルートは38年間演奏してきたデリコさんは、「今までの自分の音楽にない物をやりたかった」と話す。「川の流れのように」や「北国の春」、「いつでも夢を」、「乾杯」など10曲が収められた。「上を向いて歩こう」では口笛にも挑戦している。
 2008年9月には、曲のイメージを掴もうと日本へ。東京から箱根、奈良、名古屋、宮島を回り、太鼓や琴など伝統楽器に触れて多くのインスピレーションを得た。
 「曲のメッセージを理解した上で自分達らしさを加えるのに苦労した」と振り返る。「歌詞こそないが、我々の作り出す音も一種の言葉のようにメッセージ性がある」と説明するよう、一音一音に思いを込めたという。
 CDのタイトル「絆」について、デリコさんは「自分と日本文化、日系人、音楽とのつながりを表した」と語り、「『絆2』も制作したい。まずは皆さんに聞いてもらい、意見を聞きたい」と紹介した。
 5月8日に文協で演奏会を開き、CDの販売、サイン会も行う予定。