ホーム | 日系社会ニュース | 鹿児島ブラジル実習生=春田、中村さん帰国=「コロニアに育ててもらった」

鹿児島ブラジル実習生=春田、中村さん帰国=「コロニアに育ててもらった」

ニッケイ新聞 2010年3月6日付け

 「コロニアの皆さん、本当にお世話になりました!」―。ブラジル鹿児島県人会(園田昭憲会長)の第1期鹿児島ブラジル実習生の春田沙弥佳さん(24、曽於郡大崎町)と中村瞳さん(29、薩摩川内市)が1年の研修を終え、今月帰国する。
 中村さんが5日、春田さんが22日の帰国を前にあいさつに訪れた。
 英語教師の経験がある春田さんは、生徒数約70人のピラール・ド・スル日本語学校の教師を務めた。運動会、デイ・キャンプ、林間学校などを通し子供たちと交流を深め、「ポ語が分からなくても、子供たちから日語で話し掛けてくれた」と笑顔で話す。
 「日本の教育では安定志向で子供にもあまり挑戦をさせることを好まなかったが、それがこちらでは変った」と自身の教育者の立場での考えの変化に気が付いたそうだ。
 帰国後も教師の道を歩む。「ここでの体験を活かして、より経験豊かな授業が行いたい」と目を輝かせた。
 中村さんは、サンパウロ新聞社で記者として実習。平日、週末と暇なく日系社会を取材して回り「コロニアの深いところにまで入っていけた気がする」と振り返る。
 元は陸上自衛隊という異色の経歴。「読み手を理解しながら記事を書くのが大変だった」そうだが、「やりがいがあり、成長できた」と満足気。
 各県人会行事も楽しんだようで、岩手県人会のわんこそば大会では2連覇を達成。「日本各地の文化・食べ物に触れ、日本でもできない体験を短期間でできた、得した気分」と喜ぶ。
 二人は、「日本社会を抜け出して、視野が広がった」とすがすがしい表情を見せ、「コロニアに育ててもらった」と声を揃えた。

image_print