ニッケイ新聞 2010年3月6日付け
「『老い方』を知らない人が多い」。援協主催の南米日系社会高齢者対策セミナーで、ボリビア・サンフアン移住地の診療所で社会福祉を担当する池田七奈重さんが、そう指摘していた。これはどこの日系社会でも意識したいポイントだ。
戦後移住者が多いボリビア、パラグアイなどは特に当てはまるだろう。若いときに移住し、親の老いる姿を見ていないせいで、自分の老いがどのようなものか客観視できないし、心の準備ができていないという。
戦前移民が多いブラジルでも、高齢化の認識の低さが叫ばれて70年代には援協の老人週間が始まった。だが、いかに老いていくか、いかに老後を過ごすか考えることは、常に重要なことだ。
さて、今日はセミナー最終日。同様の課題を持つ各団体から、どのような日系ならではの〃文殊の知恵〃が出てくるか楽しみにしたい。(親)