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ブラジル市場は〃希望の星〃=多国籍企業の拠り所=藍より出でて藍より青し=本社の窮地を救う支社

ニッケイ新聞 2010年3月9日付け

 ブラジル進出の多国籍企業が欧米市場の低迷をよそに、好調な国内市場により09年度決算書は輝ける業績を計上と8日付けフォーリャ紙が報じた。ユニリーバとネスレは、ブラジルを米国に次ぐ世界第2の有望市場とした。フィアットとポルトガル・テレコムは、本社を上回る営業成績を上げた。ポン・デ・アスーカルを傘下に持つ小売り販売のカシノは、フランス本社が3・8%減と落ち込む中、ブラジルは12・7%増と伸ばした。清涼飲料のABInBevとカリフルは、経営管理の理想モデルとなった。

 ブラジルの消費市場は、多国籍企業にとって〃希望の星〃となっている。昨年下半期から各分野で活気が見えた。
 伯ユニリーバは09年、年商115億レアルを計上、米国に次ぐ第2位へ躍り出た。伯ユニリーバは04年、7位に過ぎなかった。同社は不況のなか、新製品の発表や北東伯の粉石けん工場増設に投資を続行する。
 ネスレは09年、155億レアルを売上げドイツやフランスを追い抜き、米国に次ぐ第2位となった。ネスレの地域別売上は、EUの1・2%増、米国が4・8%増。ブラジルは、10%増であった。ブラジル市場は、ネスレの主要市場となった。
 世界最大のビール会社ABInBevは、世界全体で売上が平均0・8%落ち込むなか、ブラジルは9・9%伸ばしている。BrahmaとSkolを供給する傘下のAmBevは09年、粗利益で30・8%増、金額にして130億ドルを計上した。
 政府がIPI(工業税)減税を実施した自動車産業は、成長率11・4%を記録した世界でも稀な例だ。フィアットは09年、73万7千台を売上げ、本社の72万2千台を上回った。
 伯フィアットは過去10年、本社の半分規模であった。ソロカバのフィアット農機具工場の竣工式に出席した本社のマルキオネ社長は「EU市場は2010年、凶作の年と思われるので、ブラジルに寄せる期待は大きい」と述べた。
 ポルトガル・テレコム(PT)のブラジル支社は09年第4四半期、前年同期比18%増の9億530万ユーロの営業成績を上げた。同期に本社は、3・4%増の8億4670万ユーロだ。
 ポン・デ・アスーカルの親会社でフランス小売業界の雄、カシノは本社が3・8%減。南米が5・7%増。ブラジルはなんと、12・7%増との快進撃であった。