ニッケイ新聞 2010年3月9日付け
8日の「世界女性の日(世界婦人デー)」に因み、7、8日付伯字紙が、女性を扱った記事をいくつか掲載している。
1904年3月8日に米国ニューヨークで起きた女性労働者の婦人参政権要求デモ後、1910年の国際社会主義者会議で、「女性の政治的自由と平等のために闘う」記念日にと制定されたのが「世界女性の日」だ。
以来、男女同権への歩みが続けられ、2000年には、国連人権高等弁務官メアリー・ロビンソン(アイルランド初の女性大統領)氏が「女性が権利の獲得に向けたこれまでの歩みを祝うと同時に、女性被害者は未だに後を絶たないことを想起する日」であると言明する文書発表など、その性格も変わってきている。
7日付フォーリャ紙は、従来は男性の職場とされていた職域にも女性が進出している一方、男女の賃金格差などは依然として残っている事などを報道。地理統計院(IBGE)の2008年統計では、女性の方が給与が高かったのは、61職種中6職種のみだった。
1978年と2008年で比べると、78年には18%だった女性の弁護士や医師も、08年は45%と44%に増加。まだまだ女性が少ない技師や警官も、5%から11%、2%から13%と増えた他、0・2%から1・4%に増えたバスなどの運転手では、女性の方が事故の発生が少ないとの結果も出ている。
一方、繊細さや敏感さなどが要求されるため、女性専門職とされてきた看護や幼児教育、縫製などの分野の男性進出は、数%程度のものが多い。
8日付エスタード紙では、ブラジル家庭の47%は片親、離婚が3倍に増えた一方、正式な結婚は12%減といったIBGEデータを基に、従来とは違う形の家庭も増加と報じる一方、繊細さを経済的な独立と結びつけながら幸福追求という、現代女性の姿も紹介。
8日付フォーリャ紙には、フラメンゴFC会長であり、リオ市市議でもあるパトリシア・アモリン氏の「女性には女性の仕事のやり方があり、男性と同じ論理を使う必要はない」との声も載っている。現代は、互いの違いを理解し、各々の特性を生かした世界を作っていく時代といえそうだ。