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1人の愚行が一家を破壊=高速道路を20キロ余り逆行=コチアの校長夫妻は焼死

ニッケイ新聞 2010年3月10日付け

 8日午前4時頃、サンパウロ州コチアのラポーゾ・タヴァレス道22キロ付近で、乗用車が正面衝突し1台が炎上。コチア在住の夫婦が焼死、娘も負傷という事故が発生した。
 9日付伯字紙によると、加害者はサンパウロ市ブタンタン在住の機械整備工、ヴァウデシー・ジョゼ・フォールマン(31)で、同街道45キロから22キロまでを、時速140キロで逆行。事故直後、自力で車から脱出した加害者は、手の骨折と打撲傷のみで済んだ。
 一方、加害者のクリオ車を避けたトラックの直後を走っていて、事故に遭ったGol車運転のコチア市の学校校長ジョアン・ルイス・モンタニェイロさんと、妻でスクールバス運転手のエウクリジネイア・ピント・アスンソンさんは、あっという間に炎に包まれ焼死。
 後部座席にいた12歳の娘のスエレンさんは、事故直後現場に到着した警官に救出され、軽傷だが、ショック状態でサンパウロ市西部のサンパウロ大学付属病院に入院中だ。
 スエレンさんを救出した道路警官は、36キロ地点で逆行車との衝突回避後、車線変更。加害者に停止を求めたが、ガードレールに阻まれ接近しきれず、事故を食い止める事が出来なかった。
 クリオ車同様、車線を逆行して現場到着のレッカー車が事故車を引き離し、クリオ車の爆発を回避したが、レッカー車運転手も「すごい速さだった」と証言した加害者。
 警察の取調べには、サンパウロ市に向かう車線を走っていたと答え、事故の瞬間以外何の記憶もない加害者は、酒臭い息をしており、車からはビールの空き缶も見つかった。
 本人は「少し飲んだだけ」と言うが、警察は、薬物使用の可能性もあると見て検査を実施。
 娘の体調が思わしくないためサンパウロ市の病院に行き、帰宅許可を待って家路を急ぐ最中事故にあった被害者一家は、最近農園を購入し、引越しをするばかり。月末のエウクリジネイアさんの誕生日を農園で祝おうと準備中だったともいう。
 なお、事故直前の28キロ地点でクリオ車と衝突しそうになったメリバ車は、危ういところで正面衝突を免れたが、ガードレールに衝突。運転手の妻は妊娠中だったが、夫婦にケガはなかった。